このページでは、管理人が直接作品を見たうえで、写真に撮影することが出来たものを画家毎の備忘録として掲載しています。作品の評論が目的ではなく、難しいことを考えずに素敵な絶景作品を眺めることを主眼にしていることから、作品については一作品毎に詳述しているわけではありませんので、ご了承ください。
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後藤純男は、私が日本画の中で最も魅かれる画家だ。最初に後藤作品に触れたのは、1988年に池袋の西武フォーラムで開催された新作展だった。
日本的な静寂を感じさせる空気感と精細なタッチに目を奪われたのがきっかけだった。
それから34年後に北海道の上富良野にある後藤純男美術館に行ったのだが、そこには想像以上の作品群が展示されているだけでなく、写真撮影も可能となっており、グローバルスタンダードな美術館であると感心した。
また、学芸員の方に様々な質問をさせて頂いたが、一つひとつ丁寧に、時には調べたうえで回答頂き、その誠実な姿勢も印象的だった。
そこには34年前に私が初めて新作展に行った際のポスターも飾られており、それを見つけてさらに喜びが増したものだ。
このページでは、その後藤純男美術館の作品群を掲載している。
かなり巨大な作品もあるので、現地でご覧になるとその迫力が実感できるので、お勧めします。
後藤純男美術館の一角で見つけたポスター。
これが正に私が初めて後藤作品に出会ったきっかけだった。
闇が迫る御影堂の厳かな雰囲気が非常に気に入っています。
(開催:1988(昭和63)年1月 西武アート・フォーラム、池袋・東京)
後藤純男美術館 @美瑛、北海道 Sumio Goto Museum at Biei,Hokkaido
この金屏風に描かれている作品が「桜花浄苑雙図」(おうかじょうえんそうず)で、 2002年(平成14年)後藤純男72歳の作品。
左隻は樹齢1000年の臥龍桜。右隻が樹齢1500年の淡墨桜を描いているとのこと。
どちらも金屏風5枚ずつの大作で、実物は凄い迫力がありながら、近くで見ると凄い繊細な描写に驚かされる。
雪景色でこれ程繊細なタッチの絵画はなかなかお目にかかれない。
この嵐山の雪景色を描いたものは、かなり大きな作品なので、近づいてよく見ると、一段とその精緻な筆遣いに感嘆させられる。
また、引いてみていると、そこに嵐山があるかのようだ。
この水面の反射と桜の精緻さはどうだ。水面はキラキラと今にも揺らめきそうだし、桜は風で花びらがひらひらと舞いそうな雰囲気を湛えていて、何とも素晴らしい。
凍てつく流氷と知床半島の作品は、見るだけで厳しい寒さが伝わってくるものだ。この作品が独特なのは、ターナーの作品によく出てくる彼独特のイエロー配色のように、ここでは日本画的な金色の差し色が空と海に配されており、後藤純男流のイエロー(金色)配色が大変興味深い。
この夜桜は、1999年に描かれた「惜春」(せきしゅん)”Moonlight at the end of spring”で、ピンとくるものがあったので、学芸員の方に質問したところ、モデルは何と秋田県角館の武家屋敷にある枝垂桜とのこと。まさに私の予想と一致したのだ。
私のフォトアートに同じような構図の作品があり、月夜の桜だけでなく、モデルまで一緒だったのが大変感激した。
私の作品フォトアート「桜と月の饗宴」「月見桜」のリンクはこちらをクリックしてご覧ください。
後藤純男の桜を描いた作品は、豪快さの中に桜の繊細さが融合しており、何ともいえないオーラが発せられている。
後藤純男美術館の地図
よくある質問への館長からの回答
館内にはよくある3つの質問に館長が回答しているボードがあり、大変興味深く拝見した。
特に3番目の作品についている横線についての質問が、私も聴きたかったことのなので納得しました。