「ベルギーの最も美しい村」は、1982年に設立されたフランスの最も美しい村協会に次いで1994年に設立された。ワロン地方の地域振興を主な狙いに、厳しい条件によって選定された24の村が認定されている。正式には「ワロンの最も美しい村」(Les plus beaux villages de Wallonie)協会。各村の規模は小さいものが多く、また、農業が主体の村が多いためフランスの村とは趣が大いに異なり、牧歌的な雰囲気だ。協会に加盟することで観光客も増えているようだが、決して多くはないため、ベルギーの現在の農村風景をありのままに感じることが出来る。
ワロン地方
No.1 オブシー (Aubechies)
私が最初に訪れたベルギーの最も美しい村が、このオブシーだ。
車で向かったのだが、予想よりも集落というほど建物の集積が無く、農村の拠点に教会とレストランがあるといった構成で、少々違和感を抱いたのが最初の感想だ。

しかし、これが典型的なワロン地方の美しい村なのだと、後に村めぐりをしている中で理解出来た。
緑豊かな牧草地で、牛たちがのどかに草を食む姿の背景に赤い屋根のロマネスク様式のサン・ジェリー教会が映えていた。
作品プロフィール:オブシー op.15759、5/02,2019
その違和感は別にして、牧歌的な風景も大好きな私は、この村の美しさに心を奪われた。
雨の降りそうな薄暗い天候だったのだが、しっとりとした雰囲気も、おだやかな気持ちにさせてくれ、心地よかった。
作品プロフィール:オブシー op.15765、May02,2019

サン・ジェリー教会
村の中心にあるサン・ジェリー教会。
11世紀に、この場所に聖堂が建てられて以降、修復を重ねて現在の姿になったロマネスク様式のカトリック教会だ。
作品プロフィール:サン・ジェリー教会 、 op.15757、May2,2019


教会の横に大きな煉瓦造りの建物があり、それは教会の建立当初から修道院の一部として使用されていたものだ。近年は公民館だったようだが、今は使用されていないようだ。
教会内部もこのようにレンガ造りで大変美しい。
作品プロフィール:サン・ジェリー教会 、 op.15750、May2,2019
クロケ通り
この村のユニークさは、5000年程前の先史時代の遺跡が発掘され、それを元に当時の生活の様子を再現したベルギー最大の野外博物館、オブシー・ベルイユ考古歴史博物館(Archéosite et Musée d’Aubechies-Beloeil)があることだ。
サン・ジェリー教会のすぐ近くに池があり、その向こう側に考古博物館は存在する。
この煉瓦造りの村と先史時代の組み合わせがピンと来ないのだが、重厚な歴史的背景を持った村であることは間違いない。
アクセス(Google Mapへのリンク)
道中の絶景 1 ~予期せぬ絶景~
オブシーからブロイユ城に向かう道中にのどかな光景が広がっていた。雨にけぶる牧場の光景。
作品プロフィール:ブロイユ郊外 op.15767、15768 ,May02,2019
ちなみに、ブロイユ城にも行ったのだが、突然の大雨でまともに撮影することが出来なかったのが残念だ。ぜひ次のチャンスがあれば再訪して撮影したいものだ。