オランジェリー美術館 Musée de l’Orangerie
フランス・パリ
この美術館は印象派とポスト印象派の収集、特にモネの巨大な「睡蓮」の作品群であまりにも有名だ。
ロケーションは、パリ1区のテュイルリー公園内だ。元テュイルリー宮殿のオレンジ温室(オランジェリー)であった建物だが、1927年にモネの「睡蓮」の連作を収蔵するために美術館として整備された経緯を持つ。
モネの「睡蓮」は、かなりの数が世界中に散らばっているが、当美術館所蔵のものは、主にモネの最晩年に制作さえた大装飾画の連作で、迫力に満ちている。
専用の展示部屋があり、白基調の壁・床・天井に天窓からの陽が差し込むあかるい部屋に、湾曲した壁に迫力の作品が展示されている様は非常に印象的で唯一無二の存在だ。
第1室
オランジェリー美術館には睡蓮専用の展示室が2つもある。
しかもどれも巨大で、高さは2mもあり、さらに横幅は長いもので6mものビッグサイズだ。
部屋に入るとそのスケールに圧倒されること間違いなし。
モネの睡蓮好きはもちろん、誰でもその美しさに見入ってしまうであろう。
「日没」 Soleil couchant 1920~26年 200㎝×600㎝
「緑の反映」 Reflets verts 1920~26年 200㎝×850㎝
「雲」 Nuages 1920~26年 200㎝×1,275㎝
「朝」Matin 1920~26年 200㎝×1,275㎝
「朝」の部分画像
第2室
第2室に入ると、巨大な作品は変わらないが、柳が沢山描かれていて、同じ睡蓮でも一味違った雰囲気を味わえる。より日本的になったような気もする。
全体的に紫がかったようなブルーを基調とした色彩は落ち着いている。
真ん中に椅子があるので、腰かけてじっくりと睡蓮を眺める贅沢な時間を味わうことが出来る。
「樹木の反映」 Reflets d’arbres 1920~26年 200㎝×850㎝
「朝の柳」 Le Matin aux saules 1920~26年 200㎝×1,275㎝
「朝の柳」の部分画像
「2本の柳」 Les Deux Saules 1920~26年 200㎝×1,700㎝
「明るい朝の柳」 Le Matin clair aux saules 1920~26年 200㎝×1,275㎝
「明るい朝の柳」の部分画像
この美術館はモネの睡蓮を飾るために美術館にしただけあり、実に素晴らしい睡蓮を鑑賞することが出来る。
モネに関してはこれらの睡蓮だけというのが潔い。その他のモネ作品はセーヌ川を挟んだ向かいにあるオルセー美術館もしくは、同じパリにあるマルモッタン・モネ美術館があるので、ぜひ併せて訪問して欲しい。モネ・ファンにとってはこれらパリにある3つの美術館はゴールデン・ルートだ。
これ程近い美術館で圧倒的なモネの収蔵数を誇る地域は他にない。1日の行程でも十分に観て回ることができるのだ。
話をオランジェリー美術館に戻すと、モネ以外の収蔵作品では、ルノワールやセザンヌ・ゴーギャンなどの印象派やピカソ・マティス・モディリアーニなどのポスト印象派の作品が展示されていて、こちらも大変見ごたえがある素晴らしいものだ。