プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地方
No.2 セギュレ
こんもりと盛り上がった石灰岩の小山の中腹に、眼下のブドウ園を見下ろす石造りの民家で連なる横長の集落がセギュレだ。周辺の村々と比較してかなりの観光客で賑わうのは、「フランスの最も美しい村」であるからであろうか。
背景となる小山の山頂には城の遺跡が佇んでおり、それは中世の時代に強固な城塞が築かれていたこの村の名残である。この村はなんと13世紀から18世紀の5世紀に渡ってローマ教皇の直轄領という特異な歴史を有しているのだ。どうりで村中が中世そのものであるはずだ。しかし、この時代に至るまで、その美しさを維持していることが本当に素晴らしい。それ故の「フランスの最も美しい村」認定の村なのであろう。
セギュレは「フランスの最も美しい村」の一つで、人口は847人(2015年)。
周辺にある広々としたぶどう畑でも想像つくように、赤ワイン「セギュレ」も人気だ。
無料の駐車場が複数あるので大変便利だが、それ故に人が多く、今までの静かな村とはちょっと違うようだ。
完全に観光地化しているようだ。
村に入るとその人気の理由がよくわかった。
趣のある雰囲気で、どこを見ても絵になる素敵な村だ。
作品プロフィール:セギュレ 、 op.15257、8/13,2019
迷路のような石畳の狭い小道を進む楽しさと、見るポイントによって表情を変える建物がユニークだ。
人気の観光地と云っても、パリやモンサンミッシェルのような大混雑ではないところが嬉しい。
人はひっきりなしに訪れてくるのだが、このように人が全くいないような一瞬もある。
このような三叉路は、ヨーロッパの村にはよくあるが、どれも個性的で見るだけで楽しめる。このセギュレも素敵だ。
作品プロフィール:セギュレ 、 op.15255、8/13,2019
村の頂上部に建つのがサン・ドニ教会だ。
ロメネスク様式の美しい構造のこの教会は、10世紀に建てられた歴史あるものだ。
教会内は重厚で素朴な造りであり、時代を経た深みを感じる。
作品プロフィール:サン・ドニ教会 op.15242、Aug.11,2019
セギュレの抱くこんもりした山の頂上には、Le Château (城)がある。
いわゆる城跡なので、特に見るべき物は無さそうなのでそこまで行くことはなかったが、ブドウ畑に囲まれたセギュレの集落のアクセントになっていた。
作品プロフィール:ブドウ畑に囲まれたセギュレ村 op.15236、Aug.11,2019
中世の面影を色濃く残すこの村は、白黒写真がよく似合うのだ。
いつの時代かわからなくなる感じが実に良い。