「ベルギーの最も美しい村」は、1982年に設立されたフランスの最も美しい村協会に次いで1994年に設立された。ワロン地方の地域振興を主な狙いに、厳しい条件によって選定された24の村が認定されている。正式には「ワロンの最も美しい村」(Les plus beaux villages de Wallonie)協会。各村の規模は小さいものが多く、また、農業が主体の村が多いためフランスの村とは趣が大いに異なり、牧歌的な雰囲気だ。協会に加盟することで観光客も増えているようだが、決して多くはないため、ベルギーの現在の農村風景をありのままに感じることが出来る。
ワロン地方 ナミュール州
セル (Celles)
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丘陵地の丘にある住宅地から細い道を下りると教会が見え、緑の中に石造りの家がならぶ趣ある集落に着いた。そこがベルギーの最も美しい村の一つであるセルだ。
作品プロフィール:セル op.15833、5/03,2019
サン・アデラン教会
村の中心となるのが重厚な造りと大きく鋭い尖塔が目印のサン・アデラン教会だ。
教会は石造りで無骨な感じの外観であるのだが、11世紀の建立で、ロマネスク様式で美しい。
その内部は対照的に白い壁であり、明るい雰囲気が印象的なものだ。
この内部には、墓石や古い聖職者席など珍しいものがある。
外部と内部のギャップが面白い。
作品プロフィール:セル op.15849、5/03,2019
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十字架の小径とサン・アデラン・エルミタージュ
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サン・アデラン教会の裏手には十字架の小径という石段があり、そこにはキリストが十字架を背負って進んだとされる苦難の道が表現されている現代芸術の石塔が14個並んでいる。この石は、この地域産出のもので、独特の青色を帯びているのがユニークだ。
その階段を上るとサン・アデラン・エルミタージュがある。
現在は小学校として使われているとのことだが、美しい回廊のある素敵な修道院の聖堂だ。
中心には修道院を創設した聖アデランの像がある。
ここからの眺めは素晴らしく、緑の中に教会と石造りの家々が立ち並ぶ光景は印象的だ。
その背後には牧草地が広がりベルギーの村らしさで溢れている。
作品プロフィール:十字架の小径、 op.15849、5/03,2019
石段を登った頂上にあるサン・アデラン・エルミタージュの建物。ネオ・ロマネスク様式が美しく、石造りで重厚なものだ。
煉瓦のアーチ状のアーケードが特徴的だ。
細長い聖堂の尖塔が目を引く。
作品プロフィール:サン・アデラン・エルミタージュ、 op.15835、5/03,2019
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回廊の中にあるサン・アデランの像。
669年にサン・アデランがこの村に住み始めたのがきっかけで、彼の弟子も集まり、布教活動を熱心に行ったそうだ。
作品プロフィール:サン・アデラン・エルミタージュ、 op.15836、5/03,2019
集落の中心地区
セルは、趣あるだけでなく、立体的な風景を楽しめる村だ。
教会のある中央広場周辺に石灰岩で建てられた歴史を感じる建物が連なっており、どの建物も沢山の花に囲まれている。
全体的に広々かつゆったりとしており、開放的な雰囲気だ。
作品プロフィール:セル op.15866、5/03,2019
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集落の多くの場所からサン・アデラン・エルミタージュや教会の尖塔を望むことが出来るのが良い。それら2つはまさにセルのシンボル的存在なのがよくわかる。
作品プロフィール:セル op.15863、5/03,2019
集落を歩いていると、このような本箱(Boite a Livres)が道端に設置されていた。
村人同士で無料で貸し借りしているようだ。
なんだかほっこりした。
作品プロフィール:セルの本箱、 op.5031963、4、5/03,2019
セピア調にしてみると、より伝統的な雰囲気が高まるようだ。
この位置からでもサン・アデランの像が見える。
この村は何百年も彼に見守られて繁栄してきたのであろう。
作品プロフィール:セル op.15853、5/03,2019
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